最期の言葉

リック 「ワシントンポスト

If something happens to me,
I want you to know
that you made my life.
(もし、ぼくの身に何か起こったら、
君がぼくの人生のすべてだったということを
覚えていてほしい。)

 
経験豊富な退役軍人のリック(当時62歳)は、
世界貿易センター内の
ある会社の副社長をしていました。
午前8:48、最初の飛行機が激突した時、
リックは事務所にいて、通報を受けました。
 
直ちに彼は、ビル内の従業員全員に
避難命令を出したのです。
そして、自分は拡声器を手にして
階段を駆け上り、各階から人々を避難させました。
 
階段の吹き抜け部分で
人々を安心させようとして
声をかけているリックの姿を見た一人の友人は
「リック、君も外へ出なければダメだ」
と言いました。
 
「全員が避難してからだ」とリックは答えました。
彼はまったく平静でした。
その後、彼は本社に電話をかけ、
降りて来られない人を探すために
上へ戻ると言いました。
 
同じ時、リックの妻は、その事件を知りました。
しばらくして、電話がなると、それはリックでした。
「泣かないでほしい。
 今は同僚たちを救出しなければならない。」
 
妻は泣きじゃくりました。
「もし、ぼくの身に何か起こったら、
 君がぼくの人生のすべてだったということを
 覚えていてほしい。」
 
そして、電話は切れたのです…
 
その後、分かったことですが、
ビルで働いていた彼の会社の2,700人のうち、
亡くなったのは、わずか6人だったのです。
大虐殺の奇跡だと言われています。

 
ワシントンンポストからの引用。
ドラマ以上にドラマティック